Text 24 Oct フォレスト・ガンプ映画レビュー

普通私たちは、振られた恋人を諦めたり、時に過去のしがらみを断ち切って人生の新しい局面に対応しようとする。そうしなくては生きていけないと感じるからで、別に彼等のことを記憶から抹消するわけではなく、思い出のなかにしまい込んで置くだけだ。

しかしガンプの場合は、ジェニーはいつまでも子供時代に初めて知り合えたジェニーであり、死んだ黒人の親友は今でもありありと生きていて、上官は復員しておちぶれても、いつまでも上官のままだ。つまり、かって親しい心の交流があり、いったんその親しさを心に焼き付けたら、それがいつまでも持続してしまうのだ。

これはガンプの心のメカニズムとしてそう設定されている(ように見える)ので、純粋さということとは違う。それが純粋さに見えるためには、現実には、多くの偶然が荷担しなくてはならないだろう。つまりは、ある現代人の願望を、このファンタジックな映画の制作者はうまく言い当てたのだが、それはとても心の古層にある、親密な記憶への固着の場所、とでもいえばいいだろうか。

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